うさぎの国 〜王冠をかぶったうさぎ〜
※うさぎ国〜思い切ってニンジンを食べる〜の続きです。
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目の前の道に赤い絨毯が敷かれていく。
その先から、王冠をかぶったうさぎが歩いてきた。
周りにいたうさぎたちが一斉に膝をつく。
王冠をかぶったうさぎ
「お待ちしておりました!勇者さま!
あなたが来ることが”予言”された日から、ずっと・・。
どれだけこの日を待ちわびたことか!!
さぁ、皆の者!讃えよ!!!!
この方こそ、我がうさぎ国を救う、勇者さまであるぞ!!」
うさぎたち
「勇者さま!!勇者さま!!!勇者さま!!!!」
オレ
「ええええええええ!?!?!?」
ゆ・・・勇者!?オレが・・うさぎ国を救う勇者だって!?!?」
うさぎたち
「勇者さま!!勇者さま!!!勇者さま!!!!」
興奮したうさぎ達の歓声が響き渡る。
もう何がなんだか訳が分からなすぎて・・・どこから理解すればいいんだ!?!!
これは夢か?いや・・夢だろ!!
オレは思いっきり自分の頬をつねった
「痛ッッツツ!!!!!!」
王冠をかぶったうさぎ
「あぁ…すみません勇者さま。
今しがた、”ソトノセカイ”からやって来た勇者さまにとっては
何がなんんだか……ですよね。
状況をご説明させていただきたいので、我が城までお越しいただけますか?」
オレ
「!!」
なんて話が分かるうさぎなんだ!!
オレ
「はい!!ぜひ、お願いします!!」
王冠をかぶったうさぎ
「あ、申し遅れました。
僕はこのうさぎ国の王である『うさぎ王』と申します。」
うさぎたち
「うさぎ王!!うさぎ王!!!うさぎ王!!!!」
うさぎ王・・。さすが王だけあって、このうさぎはマトモそうだ!
よかった・・・
うさぎ王
「・・まぁ・・名乗るまでもなく、
この風貌を見て『あ、こいつ、王様だろうな』って予想はついていたと思いますが。
ってか、それくらいの予想はつけてもらわないと困ります。・・勇者さまならね。」
オレ
「え?」
うさぎ王が何か言ったような気がしたが上手く聞き取れなかった。
なにかすごいことを言われたような・・・いや、気のせいだよな。ははは。
うさぎ王
「では、城へ参りましょう。この道の先です。」
パンパンッ!!
うさぎ王が軽快に両手を叩くと
どこからともなく、ハチマキを巻いたうさぎが2匹現れた。
ハチマキうさぎ
「どうぞ!”うさ力車”にお乗りくださせえ!」
そう言うと、オレは押し車(”うさ力車”とやら)に乗せられてしまった。
もぅ・・・・なんなんだよ・・・次から次へと・・・
うさ力車は控えめに言っても”ものすごい低速”だった。
歩いた方が速いんじゃ?・・・と喉まで出かかったが、
汗だくで一生懸命走るハチマキうさぎにそれを伝える勇気はなかった・・
うさぎ王の乗ったうさ力車が横に平行して走っているが、
こちらに話しかけてくる様子はなく、すまし顔で座っている。
うさ力車に乗るときは喋ってはいけないルールでもあるのか・・?
気まずい空気と、込み上げてくる不安に耐えながら
オレは城へと向かった。
一体これからどうなってしまうのだろう・・・
To Be Continued…